畳を長持ちさせる方法 〜畳空間がある方向け〜


いきなりですが、「畳空間」が部屋にあるということはどういうことを意味すると思いますか?



個人的には、「畳空間」を室内に設けることは「部屋の中にお庭を入れる」ことだと思います。畳空間のネガティブなイメージとして「お手入れが大変に感じる」ことが挙げられるかもしれません。

しかしながら敷地の庭を手入れすることに比べれば手間はかかりません。

代々日本人は、畳を五感で感じてきました。日本の風土にマッチし世界でも類を見ない「草の上での生活」を体現できる床材が畳なのです。自然と調和して生活できる「畳」の魅力を1日でも長く味わうために。


  1. 定期的に部屋を換気する

畳の調湿力は自然素材でもトップクラス。一説には土に匹敵するほどの調湿作用が畳にはあります。(国産いぐさ+藁床を用いた畳において)

そのため溜め込んだ水分を放出できなければ、水分でひたひたの畳にカビが生えてしまいます。



 2.定期的に食べ残しや埃を取り除く

畳が居心地がいいのは人も虫も一緒。

定期的にホコリや食べこぼしをほうきで取り除いてください。

柄の長い棕櫚(しゅろ)ほうきが細かい汚れをかき出しやすいため、おすすめです。


 3.畳の上に段ボールを置かない

畳の上に段ボールを置くことで、シロアリやダニが住みつきやすくなる

環境を作ってしまいます。

シロアリはダンボールだけでなく、畳の下の荒床や根太そして土台まで

家屋を侵食してしまう恐れがあります。

 4.畳の上に家具を置かない

畳の上にベッドやたんすを置くことは、局部的に畳に負荷をかけることになります。

その結果、へこみが生じ一部分に汚れが溜まりやすくなったり、

変形の原因になります。

また、家具の移動に伴い畳を傷つけてしまいます。


 5.経年美化を愉しむ


畳の特徴として、いぐさの部分(畳表)が青々しい緑から飴色に褪色することが挙げられます。

一般的にはこの現象は、「劣化」を意味するかと思いますが畳の機能は新品時と比較しても著しく劣っている訳ではありません。

捉え方を変えると、褪色によって畳表の色が飴色に変わります。

畳と共に過ごした時間や思い出の蓄積が、飴色に変わった畳が表しています。

時間の経過は人間に当てはめると、「老い」を表しネガティブに捉えてしまいがちです。

一方で、時間の経過によって知識や経験が蓄積され、寛容的に物事を捉えることができる

「余裕」が人間に生まれます。この側面はポジティブに捉えることができるのではないでしょうか。

畳の場合は、褪色してもその機能が著しく低下するわけではなくむしろ、

褪色することで飴色に「経年美化」します。時間の経過がないと見る事ができない畳表の

表情であり、この一連の物事の捉え方は日本人特有の「さび」を表していると感じます。

つまり、畳は「さび」を体現する床材でもあるのです。



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