畳のサイズは地域で異なる!

1.畳のサイズは異なる

 私たちの暮らしに身近な畳ですが、実は地域によってサイズが異なるのです!

意外かもしれませんが、ざっくり分けると3種類に畳のサイズは分類されるのです。(厳密にはもっと種類は存在します)


●東日本


 東日本では江戸間(業界用語では五八・ごはちと呼びます。)と言われる畳を使用しております。具体的には畳の短辺(幅)が約88cmで長辺(丈)が約176cmの物を指します。東日本エリアでは上記のサイズの畳が一般的には使用されています。近年では和室全体をコンパクトにしてよりコストを抑えるために西日本エリアでも江戸間の畳を使用することも増えてきております。大手住宅メーカーが取り入れているということから、今後もこの動きは増えてくるように思っております。そもそも新築に畳の部屋が入ること自体少なくなってきているのが現状なのですが。


●西日本


 西日本エリアではどうでしょう。このエリアでは本間・ほんま、ほんけん(京間とも言われる)と言われるサイズの畳を使用しております。

具体的には畳の短辺(幅)が約95.5cmで長辺(丈)が約191cmの物を指します。

つまり、西日本エリアで使われている畳の方が一枚あたりのサイズが大きいんですね。

理由は後ほど説明します。


●中日本

 

 地域は中日本エリアを中心に存在しており、三六・さぶろくと言われる畳も存在します。畳の短辺(幅)が約91cmで長辺(丈)が約182cmの物を指します。高知県や沖縄県などでも三六サイズの畳が使われます。現代でいうコンパネのサイズがこちらの畳と同じ

サイズです。






2.畳のサイズが異なる理由 



ここまで、畳のサイズについて説明してまいりましたがなぜ畳のサイズが地方によって異なるのかその歴史的背景と建築方法の観点から説明いたします。


ー歴史的背景

 時は遡り戦国時代。当時の天下人・豊臣秀吉が採用した税収方法として、太閤検地がありました。一家あたりに収穫される税(当時は年貢米)を一家あたりの家の面積で徴収していたのです。すなわち、1間・いっけんを基準に徴収していました。1間とは、畳の長辺の長さを指します。

 天下人が徳川家康の時代になると、より多くの年貢米を徴収するために太閤検地のシステムに改良が加えられました。1間を176cmと規定し一人当たりの実質的な負担が大きくなったのです。本間では約191cm、江戸間では約176cmでしたよね!現代に置き換えると、値段は変わらないのに内容量が少なくなる駄菓子のような物ではないでしょうか。


ー建築的背景

 これはエリアごとでの建築方法が異なるということも理由として考えられます。

西日本では畳を基準にして家の柱を建てておりました。これは「畳割」と言われる日本独自の標準化の概念でした。一方、東日本では江戸時代からの急激な人口の増加によって効率的な家の建築が求められたため、柱の中心と中心の間隔が1間とする「柱割」の考えが広まりました。その結果、柱の太さの分だけ1畳あたりの大きさが小さくなったとも言われています。

 ざっくりまとめると、西日本は畳が基準で東日本は柱が基準で家が建てられた。ということになります。それを証拠づけられる話が畳業界では存在します。実際に私もある畳屋さんからお伺いした話で、「京間は大工の見せ所、江戸間は畳屋の見せ所」と言われてきたそうです。


3.好きなサイズの畳が欲しい場合は?


 ここまで、畳のサイズの違いについて説明してきました。

しかし、部屋のサイズが異なったり、空間の一部に畳を使用したいという場合には

オーダーメイドで畳のサイズを作ることも可能です。

その範囲は幅で85cm〜95.5cm、丈で170cm〜191cmが標準的です。このサイズよりも大きかったり、小さい畳を使いたい場合にはいくつか方法があるので畳屋さんに相談してみてください!

こちらの記事にも畳のサイズをオーダーメイドして欲しいという要望がありましたら、

コメントしてくださいね!


  

 

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