畳の最大の敵:カビ
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今年の梅雨は約2カ月と、例年以上に長い梅雨でした。梅雨時期になるとせっかくの週末も外出は難しくなります。梅雨明けを待ちわびた人も多かったのではないでしょうか。
【梅雨の間で換気をしなかった部屋に置いてあったいぐさ】
梅雨は人間にとっても大敵ですが、いぐさを用いた畳も同様に梅雨は大敵なのです。
私は、畳離れが進んでいる大きな理由の一つに畳にはえる「カビ」が原因だと確信しております。現代の建築物は、室内でも人間が快適に過ごせるために室内の空調を適正に保つ仕組みが発達しております。その結果、住宅の機密性が高めつつ、よりメンテナンスフリーな内装に仕上がっているのです。そんな時代の流れの中で天然素材の内装材は、メンテナンスフリーな人工物と比較して合理性に劣ってしまうのです。中でも畳はその代表格なのです。
2Lのペットボトル2本分もの水分を吸収する畳!
畳の特徴として、室内の湿度を一定に保つ機能を持つことが挙げられます。乾燥した冬などでは畳が水分を放出し、室内の湿度を一定に保ちます。また、湿度が高い場合には畳が室内の水分を吸収してくれます。その効果はなんと一畳で0.5L、8畳の部屋では4Lの水分を吸収することができます。2Lのペットボトル2本分もの水分を畳が吸っているのです。しかし、そんな畳にも限度があります。湿気の多い部屋で換気がされなければ、畳は
水でお腹が一日になってしまいます。その結果、カビが生えやすくなってしまうのです。
なぜ畳にはカビが生えるのか
湿気が多く、呼吸ができなくなった畳はカビが生えやすい状態になってしまいます。原因はそれだけではありません。20度から30度の気温はカビにとって生活しやすい環境と言われております。また、畳の上で人間が生活する中で食べこぼしや足の皮脂がカビにとっての栄養となるのです。
特に1年目は注意が必要!
変えたばかりの畳や、新しい畳は青々しており清々しいですよね。しかし、その状態はカビにとっては好環境なのです。いぐさは刈り取られてからも生きており、特に新しい状態のいぐさには栄養がたくさん含まれております。つまり、新しい畳にこそ気をつけなければいけないのです。
畳にカビが生えてしまったら?
畳にカビが生えてしまったら相当ショックですよね。でも適切な対処方法はあるので大丈夫です。まずは畳が引かれた部屋の窓を全開してください。カビの対処を行う上で人間にも畳にもかかる負担が最小限になります。次に乾いた雑巾でカビの上を乾拭きしてみてください。そして、畳の目に沿ってホウキではいてあげて下さい。この段階でカビが取れるようでしたら、軽傷です。まだカビが残るようでしたら、エタノールを含むスプレーを畳から離した距離でかけます。そのまま20分ほど放置して畳に除菌剤を染み込ませます。その後は歯ブラシでカビの部分を畳の目に沿ってかき出します。これを2回ほど繰り返してみてください。大抵のカビはこの方法で取り除くことができるかと思います。
それでもカビが落ちない時には・・・
近くの畳屋さんに相談してみてください。対処の方法をカウンセリングしてくださります。畳屋さんの所在がわからなかったり、どんな畳屋さんが来るか不安な場合は私に相談してください。
最後に
冒頭で、ライフスタイルの変化によって建物の構造も変化したことをあげました。経済的に合理的なライフスタイルを追求してきた人類にとっては、「メンテナンスフリー」な生活必須の要素です。その一方で、人工的で均質的な構造材や内装材が世の中に溢れ、自然素材の要素を生活に取り入れたいというニーズが生まれているのも事実です。ナチュラルな生活は人間の身心的な負担に溢れたストレス社会において必要不可欠です。ナチュラルな内装材を取り入れる事はストレス社会を生きる現代人の身心を満たし、経済的のみならず本来の豊かな生活を送ることにきっと貢献します。そして、日本人にとって世界にはない自然素材の床材があるではないですか。そうです。それが畳なのです。「いいものを大切に長く使う」。これは日本人がもつ素敵な価値観ですが、そうやって畳も約130約年間形を変えずに現代までに受け継がれてきたのですね。
こんな時代だからこそ、日本特有の畳を使ってみてはいかがですか?お手入れも必要で面倒だが、そんな「面倒を楽しむ」精神的な豊かな生活を求めて。
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